以前このブログに熨斗について書いたこともあって、「のし袋」という検索からここを訪ねて来る人がけっこういるんです。
そんなわけで改めて熨斗について。
熨斗は祝い事における金封や贈答品に添える飾りであって、弔事や仏事には付けないものです。しかし、世間では香典袋であろうが仏前へのお供えの掛け紙であろうが、熨斗の付いていないものまで「のし袋」「のし紙」と呼んでいます。
それは間違いです。
コンビニなどで菓子折を買って「黒い掛け紙を掛けて下さい」と頼むと「黒いのし紙ですね」と返されてしまいます。
てことで、志ん生の「蚫のし」。
「潮風で真っ黒な海女が海から採って来た鮑を、仲のいい夫婦が一晩かけてよらなきゃ熨斗ってものが出来ねえんだ。その大元の鮑が何だって縁起が悪りいんだって尻まくってやれ」「猿股してねえから尻まくれねえ」
一般的には
- 仏事、弔事に熨斗は付けない。
- 病気見舞いに熨斗は付けない。
- 魚介類の贈答品に熨斗は付けない。
ということですが、地方によって違いがあるようで、この界隈では病気見舞いには「のし袋」を使います。
