en-gのスキーな毎日

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スキー昔話 9

《半世紀ぶりに沼尻スキー場へ》
今年の冬2度ほど沼尻スキー場に行きました。
沼尻スキー場は現存する日本最古のスキー場です。
そういえば何かで木造支柱のリフトの写真を見たような記憶があります。
ウィキペディアによれば、1915年(大正4年)沼尻鉱山従業員の慰安スキー大会が開催されたことがこのスキー場の基礎になったとされています。

早稲田大学のスキー部がここを本拠地にしていた時代もあったようです。
1915年といえばレルヒが来日した1910年からわずか5年ですから、スキーというスポーツがわが国にいかに急速に広がっていったかということが窺えますね。
沼尻鉱山の歴史はさらに古く、江戸時代にはすでに硫黄の採掘が行われていたということです。それが明治に入り欧米の技術を導入して精錬を行うようになり、以来1968年(昭和43年)に閉山するまで最盛期には鉱山の人口が4000人もいたということですから大変な繁栄であったと思われます。
オラが初めて沼尻スキー場へ行ったのは半世紀も昔のこと、鉱山はまだ閉山されておらず軽便鉄道が走っていた時代です。軽便鉄道は鉱山と国鉄川桁駅を結ぶために大正2年に敷設された軌道で、最初は馬でトロッコを引いていたと記されています。

沼尻スキー場へは川桁磐越西線から軽便鉄道に乗り換えて終点の沼尻までおよそ16kmの道程でこれを45分で走っていました。当時はまだマイカーなど持っているのは珍しく、スキーへは汽車やバスで行くのが一般的でした。
昭和40年頃のことです。会社の仲間たちと土曜日の仕事を終えてから出発して温泉旅館に泊まって、その晩はもちろん宴会。温泉に浸かって宴会で盛り上がるってのが当時のスキー行きの定番メニューです。大勢で行くと中に何人かは「俺はウイスキーだ」とか「俺はお座スキーだ」などとワケの分からないことを言って、せっかくスキー場に行ったのにスキーもせずに飲んだくれているのが必ずいたものです。
それはそれでまたとてもいい時代でありました。
てことで、久しぶりに沼尻に行って、あの時一緒に行った人たちは今どうしているのかなあ… などとほんのちょっとだけ思い出に耽ってしまいました。

↑現在の沼尻スキー場