『トリック』加藤直樹著（ころから）読了。
サブタイトルは《「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち》。
虐殺があったという “事実” に対する考え方の違いならばまだしも、あたかも「あった、なかった」の両論が存在するかのような誤った情報が巷間流布されるとしたら極めて危険なことだ。
著者は「朝鮮人虐殺」はなかったとする嘘やデマを、資料を基にひとつひとつ潰していきます。
大正12年9月1日に関東大震災が発生、その混乱に乗じて6,000人とも言われる在日朝鮮人が虐殺されたと言われています。混乱の最中の事件であり6,000人という数が正確であるかどうかには疑問があるとしても、大規模な虐殺があったことは当時の公的文書等からも明らかな事実です。しかるに近年虐殺などなかったというデマがネット等で拡散されているのです。
この本は、ネット等で拡散されている「虐殺否定論」はフェイクであって、これがノンフィクション作家工藤美代子とその夫が発明したトリックであることを、資料を基に暴いて見せた貴重な１冊です。
